【2026年11月 更新】2023年の組織の再編と、拠点「カラコル」への外部の人の立ち入りの状況を加えて、全体を書き直しました。カラコルは2023年11月から外部の人に閉じられています。
こんにちは、えーきちです。
メキシコ南部のチアパス州を旅すると、町のあちこちで、黒い覆面をした人の絵やグッズを目にします。これが、チアパス州と深い関わりのあるサパティスタ(サパティスタ民族解放軍、EZLN)です。
この記事では、サパティスタとはどんな組織なのか、その歴史と今の様子、そして拠点を見に行けるのかをまとめます。
先に結論
- サパティスタは、チアパス州の先住民を中心とした組織。1994年1月1日に武装蜂起した
- 名前は、メキシコ革命の英雄エミリアーノ・サパタから
- 今は武器ではなく、自分たちで学校や診療所を運営する自治を続けている
- 2023年11月、組織を再編。拠点のカラコルは「次の告知まで」外部の人に閉じられている
- EZLNが呼びかける記念行事や集まりには、国内外から参加者が来ている。最新情報は公式サイトで確認
サパティスタとは

サパティスタは、チアパス州の先住民を中心とした組織です。正式な名前はサパティスタ民族解放軍(EZLN)といいます。
名前は、20世紀初めのメキシコ革命で、農民のために土地の分配を求めて戦った英雄エミリアーノ・サパタからとっています。サパティスタは、自分たちをサパタの思想を受け継ぐ者と考えています。
サパティスタが求めてきたのは、先住民への差別をなくし、土地や暮らし、自分たちのことを自分たちで決める権利を守ることです。
サパティスタの歴史

1994年1月1日の武装蜂起
1994年1月1日は、メキシコ・アメリカ・カナダの北米自由貿易協定(NAFTA)が始まった日です。安いトウモロコシなどの農産物が入ってくると、先住民の農家の暮らしがさらに苦しくなると考えたサパティスタは、この日に武装蜂起しました。
約3,000人の武装したサパティスタが、チアパス州の高地の町を占拠し、その後、政府軍の反撃を避けて森へ戻りました(ウィキペディアより)。占拠された町の一つが、観光地として知られるサン・クリストバル・デ・ラス・カサスです。
12日間で停戦、そしてインターネットでの発信
戦闘に反対する声がメキシコ各地で広がり、1994年1月12日には停戦となりました。
その後、サパティスタは武器ではなく、言葉で戦う道を選びます。当時まだ新しかったインターネットを使って、自分たちの主張を世界に発信し、国内外から多くの支持を集めました。顔を黒い覆面で隠したスポークスマンマルコス副司令官の文章は、世界中で読まれました。
こうして、サパティスタは世界の先住民運動や社会運動に大きな影響を与えることになりました。
サパティスタの今

自分たちで学校や診療所を運営する自治
サパティスタの地域では、政府の制度に頼らず、自分たちで学校や診療所を運営し、自分たちで決まりを決める自治が続けられてきました。2018年の推計では、サパティスタの地域で暮らす人は約30万人とされています(ウィキペディアより)。
2023年の組織の再編
2023年11月、サパティスタは大きな発表をしました。
2023年11月の発表
- これまでの自治の単位だった「自治区(MAREZ)」と「よき統治評議会」をなくし、より小さな単位の「地域の自治政府」を中心にした仕組みに変える
- 拠点のカラコルは残すが、「次の告知まで」外部の人には閉じる
- 理由の一つとして、チアパス州で道路の封鎖や誘拐、ゆすりなどが増え、犯罪組織の影響が強まっていることを挙げた
※メキシコの週刊誌プロセソ(2023年11月5日)より。
マルコス副司令官は、2014年に「マルコスはもういない」と宣言して表舞台から退きました。今はモイセス副司令官が、サパティスタを代表して発言しています。
それでも活動は続いていて、2025年12月31日には、拠点の一つオベンティックで、蜂起から32年の記念行事が開かれました。国内外の支援者も集まり、2026年の集まりの予定も発表されています(メキシコのメディア、ソモス・エル・メディオ 2026年1月2日)。
サパティスタの拠点は見に行ける?

以前は、サンクリから一番近い拠点オベンティックを、一般の観光客も見学できました。入口で名前・国籍・職業・訪問の目的を伝えて、許可をもらって中に入る仕組みでした。2018年は、サンクリからオベンティック行きのコレクティーボ(乗り合いのバン)が30ペソで出ていました。
ただし、2023年11月から、カラコルは外部の人に閉じられています。2026年11月の時点で、観光客の見学が再開したという公式の発表は見つかりませんでした。
見に行きたい人へ
- 個人で観光として訪ねるのは控える。サパティスタ自身も、チアパスは安全ではないと呼びかけている
- 記念行事や国際的な集まりなど、サパティスタが参加を呼びかけるイベントのときは、外部の人も参加している
- 最新の情報は、サパティスタの公式サイト「エンラセ・サパティスタ」(スペイン語)で確認する
サパティスタ公式サイト:Enlace Zapatista(スペイン語)
サンクリでサパティスタの文化にふれる
カラコルに行けなくても、サンクリの町では、サパティスタの刺繍や人形、ポスターなどを売るお店や露店を見かけます。旅のおみやげに、手にとってみるのもいいですね。
チアパス州の治安
外務省の危険情報では、チアパス州はレベル1(十分注意してください)です。サンクリは、人口あたりの殺人や強盗の発生率が高いとされ、州内の陸路の移動にも注意が呼びかけられています(2026年4月8日更新、2026年11月5日確認)。
サンクリに泊まるなら
チアパス州の高地を旅するなら、サンクリが拠点になります。
サンクリの見どころや宿は、こちらでくわしく紹介しています。
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参考サン・クリストバル・デ・ラス・カサス観光ガイド|チャムラ・スミデロ渓谷・おすすめの宿と治安【メキシコ】
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サパティスタのよくある質問
Q1.サパティスタとは?
チアパス州の先住民を中心とした組織です。
正式な名前はサパティスタ民族解放軍(EZLN)。1994年1月1日に武装蜂起し、今は自分たちで学校や診療所を運営する自治を続けています。
Q2.サパティスタの名前の由来は?
メキシコ革命の英雄エミリアーノ・サパタです。
サパタは、農民のために土地の分配を求めて戦いました。サパティスタは、その思想を受け継ぐ者と考えています。
Q3.オベンティックは観光で見学できる?
2023年11月から、外部の人には閉じられています。
2026年11月の時点で、観光客の見学が再開したという公式の発表は見つかりませんでした。最新の情報は、公式サイトで確認してください。
まとめ
サパティスタをまとめます。
- チアパス州の先住民を中心とした組織。1994年1月1日に武装蜂起
- 12日後に停戦し、インターネットで世界に発信して支持を集めた
- 今は、自分たちで学校や診療所を運営する自治を続けている
- 2023年11月から、カラコルは外部の人に閉じられている
サンクリの町を歩くと、サパティスタの存在をあちこちで感じます。その背景を知っておくと、チアパス州の旅がより深いものになりますよ。
サンクリから日帰りで行ける先住民の村は、こちらで紹介しています。
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参考サン・フアン・チャムラ観光ガイド|不思議な教会の入場料・写真の注意・行き方【2026年】
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それでは、また。